今回は、キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)についてご紹介していきます。
※令和4年10月時点の要件に基づいております。
短時間労働者労働時間延長コースの概要
キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)は、非正規社員の処遇改善のため、週の労働時間を3時間以上延長し、新たに社会保険に加入させた場合に助成金が支給されます。助成金額は次の通りです。
□ 225,000円
※1年度1事業所あたり最大45人まで支給申請可能です。
※大企業の場合は金額が異なりますのでご注意ください。
短時間労働者労働時間延長コースの主な要件
キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)を受け取るための主な要件は下記のとおりです(その他にも細かな要件があります)。
- 現在社会保険に加入していない非正規社員について、週の所定労働時間を3時間以上延長し、新たに社会保険に加入させていること
- 労働時間の延長前、6か月以上の期間継続して非正規社員として雇用していること
- 労働時間の延長後、6か月以上の期間継続して非正規社員として雇用していること
- 労働時間の延長前6か月間、社会保険の適用要件を満たしていなかった者であり、かつ2年以内に申請事業主の会社で社会保険に加入していなかった者であること
- 支給申請日の時点で退職していないこと
- 延長後の賃金(基本給や各種手当など)を、延長前に比べて低下させていないこと
支給申請の流れ
① キャリアアップ計画の作成・提出
② 週の所定労働時間を3時間以上延長し、社会保険に加入
③ 延長後6か月分の賃金を支給
④ 支給申請
キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)は、「労働時間の延長前6か月間、社会保険の適用要件を満たしていなかった者」である必要がありますが、この要件は「雇用契約の内容」よりも「実態」が優先されます。
つまり、以下のような場合は、「労働時間の延長前6か月間、社会保険の適用要件を満たしていなかった者」に該当せず、助成金の対象外となります。
(雇用契約内容)週の労働時間が25時間
⇒ 社会保険の加入要件を満たしていない
(実態)週の労働時間が30時間
⇒ 社会保険の加入要件を満たしている
※特定適用事業所でない場合の例です。
キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)の申請をお考えの場合には、最新の情報を確認したうえで取り組んでいただくようお願いいたします。
社会保険労務士 八尋 慶彦